不登校対応ステップ最終回⑦⑧ 〜学びの場と保護者のケア〜
📻 この内容は、ラジオ番組『EVENING ECHOES』のコーナー【こころのいばしょ】(まえばしCITYエフエム 84.5MHz)
放送日:2025.9.10 にて、石黒やちよが解説した内容をもとに制作しています。
はじめに
不登校の対応には、「こどもの学び」と「保護者自身のケア」の両方が大切です。
今回は、STEP⑦「学習支援を検討しよう」、STEP⑧「ご自身も大切に」についてお話しします。
STEP⑦ 学習支援を検討しよう
教育支援センター(教育支援教室)※無料
各自治体には学校に通うことが難しいこどもたちのための学びの場が設けられています。
対象は小学生・中学生。
適応指導教室や教育支援センターなど呼び名は様々です。
前橋市では「教育支援教室」という名称になります。
運営は行政なので無料です。(活動費などが若干かかる場合があります)
元教員や指導員の方が支援してくださり、学校と連携が取れているため、通所は“出席扱い”になります。
そして、どの施設に通ってもOK。
こどもが「ここなら落ち着ける」と感じる場所を選べる柔軟性があります。
見学の流れ
- 学校(担任・スクールカウンセラー・教頭・校長など)に申し出
- 学校から教育委員会 教育支援課へ連絡
- 見学日程の候補(3日ほど)を調整
- 学校から保護者へ日程連絡
- 面談&見学
- 1〜2週間の体験通所 → 合っていれば正式通所へ
※小学生は保護者送迎が必要ですが、中学生は自分で通える場合はOKです。
交通費支援制度(※前橋市の場合)
前橋市では、教育支援教室やフリースクールなどに通う際の交通費を補助する制度があります。
月額最大10,000円まで支援される場合もあり、経済的な負担を軽減できます。
🔗 詳しくは 前橋市の交通費支援制度・教育支援教室・フリースクール一覧 をご覧ください。
民間支援※有料
民間支援①【フリースクール】
前橋市内にも、フリースクールや在宅学習を支援する団体があります。
有料にはなりますが、こどもに合った学び方を選べる選択肢です。
学校や教育委員会の要件を満たせば、出席扱いになることもあります。
民間支援②【タブレットの在宅学習】
我が子の場合は教育支援センターを体験したもののこどもにあわなかったため、最後の手段としてタブレットによる在宅学習を選びました。
選んだのは「スマイルゼミ」です。
「不登校児のためのICT在宅学習を出席扱いに」(文部科学省 2019年発令)を元に支援してくださる方のお力をかりながら、県の教育委員会、市の教育委員会、学校へご協力をお願いし、群馬県の公立小学校ではじめて「在宅学習による出席扱い」を正式に承認していただきました。
家庭単独による「在宅学習による出席扱い」承認は、学校・スクールカウンセラー(もしくはスクールソーシャルワーカー)・医療・家庭の連携が必須となります。
ご興味がある方は下記のリンクをご参照ください。
■やむを得ず学校に登校できない児童生徒等へのICTを活用した学習指導等について(文部科学省)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/mext_99901.html
「学校に行く」という形だけが学びの唯一の道ではありません。
「こどもが安心して学べる」を基準に居場所や方法を一緒に探していきましょう。
STEP⑧ ご自身も大切に
学校や公的機関との連携を、保護者が中心になって進めるのは、本当に大変なことです。
お母さんも、お父さんも、そしてお子さんも——もう十分にがんばっています。
「だれが悪い探し」ではなく、「こどもにとってここがいいな」と思える場所を探す。
その“サポーターのマインド”がとても大切に感じています。
親と子も人同士。対等です。
支援には「自助・共助・公助」という言葉がありますが、
その中でも「自助=ご家庭の力」と「公助=行政の支援」をうまくつなげていくことが、こどもにとってもご家族にとっても安心につながるのではと考えています。
公的相談窓口にお話を聞いてもらおう
📞つなぐん相談ダイヤル(群馬県 教育委員会)
0270-26-9200
◆電話相談 ※相談は無料
◆相談時間
月曜日~金曜日 9:00~17:00
第2・第4土曜日 9:00~15:00 (祝日・年末年始等は除きます)
🔸つなぐん相談ダイヤル スタッフの方からのメッセージ
「電話相談では匿名でOKです。お住いの場所もお話しなくて大丈夫です。
来所でのご相談の場合だけお名前をうかがいます。
また、おこさんについての具体的な相談だけでなく、不登校に悩む保護者の方の心情的なつらさについても、ぜひご相談ください。
おこさん以上に悩みを抱えることもあると思います。
そのお声、ぜひ聴かせてください。」
この言葉に、私はとても励まされました。
「相談してもいいんだ」と思えるだけで、すこし心が軽くなる気がします。
おわりに
不登校支援は、家庭・学校・福祉・医療など、どこもが手探りの中にあります。
だからこそ、正解の押しつけではなく「ヒント」として、
それぞれのご家庭に合った道を選べる材料になれたらと願っています。
次回のラジオ出演は、10月29日(水)18:00〜
ラジオ番組『EVENING ECHOES』のコーナー【こころのいばしょ】(まえばしCITYエフエム 84.5MHz)
不登校児の支援側の方たちのお声も、次回ご紹介できたらと思っています。
📻 まえばしCITYエフエム 84.5MHz
(Webサービス「リスラジ」でも全国から聴取可能)
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