「専門家との付き合い方〜つなぐん相談体験レポートと“第三の道”」
〜保護者も、子どもも、先生も相談していい~
この内容は、ラジオ番組『EVENING ECHOES』のコーナー【こころのいばしょ】(まえばしCITYエフエム 84.5MHz)放送日:2026.1.28 にて、石黒やちよが解説した内容をもとに制作しています。
この番組では、子どもたちや保護者の方が「こころのいばしょ」を見つけられるようなヒントをお届けしています。
🌿 1. オープニング
今日は、不登校のお子さんを支えている保護者の方、
学校現場で日々奮闘している先生方、
そしてもし聴いてくれていたら、お子さんにも向けて、
「専門家との付き合い方」について今回は私の体験談をもとにお話しします。
🌿 2. 「つなぐん」に相談しました
先日、私は「つなぐん相談ダイヤル」に電話をしました。
理由は、学校のスクールカウンセラーさんとの方針が合わず、
子どもの安全が揺らいでしまったからです。
医師と相談して決めた「焦らず見守る」という方針と、
SCさんの「克服させる」というアプローチが真逆になり、
親としても子どもとしても、どちらに従ったら良いのか混乱してしまったんです。
🌿 3. 「つなぐん」相談 体験レポート
つなぐんに電話相談するのはこれで2回目。
ですが、電話をかけるときは、正直ドキドキしていました。
「否定されたらどうしよう」
「名前を聞かれるのかな」
「学校名を言わなきゃいけないのかな」
そんな不安がありました。
でも、電話に出てくれた相談員さんは、
とても穏やかで、落ち着いた声で、
まずこう言ってくれました。
「今日は、どんなご相談ですか?」
名前も、学校名も、住んでいる地域も、
何ひとつ聞かれませんでした。
ただ、私の話を、途中で遮らず、評価せず、
しっかりと聞いてくれました。
その安心感に、思わず涙が出そうになりました。
🌿 4. 「つなぐん」相談員のアドバイス
相談員さんは、私の話を全部聞いたあと、
静かにこう言ってくれました。
「お母さん、専門家でも、合わないなら距離を置いていいんですよ。」
「どの支援を受けるか決めるのは、ご家庭です。」
この言葉で、私はハッとしました。
“専門家だから従わなきゃ”ではなく、
私たちはサービスの利用者であり、選ぶ権利がある。
その視点を取り戻せたことで、
学校とも冷静に話し合いができ、
子どもの笑顔が戻りました。
🌿 5. 私の心境
電話を切ったあと、
胸の奥にあった緊張がすっとほどけていくのを感じました。
「相談してよかった」
「一人で抱えなくてよかった」
そんな気持ちがじんわり湧いてきました。
そして、
“従うか、抗うか”の二択しかないと思い込んでいた自分に気づきました。
🌿 6. 3つ目の道への気づき
学校の専門家と意見が合わないとき、
多くの保護者が無意識に選んでしまうのは、この二つです。
1. 従う
「専門家だから…」
「学校に迷惑をかけたくないし…」
2. 抗う
「それは違います」
「うちの子には合いません」
どちらも悪くありません。
でも、どちらもエネルギーが必要で、
時に親も子も疲れてしまいます。
そこで私が今回学んだのが、
3. 距離をおく —— “第三の道”
という選択肢です。
これは逃げではなく、
「安全を確保するための環境調整」。
- 無理に従わない
- 無理に戦わない
- いったん距離を置いて、別の専門家の意見を聞く
この“第三の道”があると知るだけで、
心がふっと軽くなります。
🌿 7. 群馬県教育委員会に直接聞いてみました
今回の件を通して、私はどうしても気になったことがありました。
スクールカウンセラーさんが方針にかなり個人差があるということ。
「スクールカウンセラーの体制って、県としてどう考えているんだろう?」
そこで、群馬県庁の教育委員会・生徒指導を担当している方に、
直接電話で質問をしてみました。
とても丁寧に、誠実に答えてくださいました。
🌿 ① 群馬県では毎年スクールカウンセラーを160名募集している
実は、群馬県は全国でも珍しい
「全校にスクールカウンセラーを配置する県」なんだそうです。
他県は拠点校方式が多いのに対し、
群馬県は小学校・中学校・県立高校・定時制・通信制まで、
すべての学校にSCを置く方針。
そのため、
- 毎年160名規模の募集
- 週1勤務の人も多い
- 兼任もあるが、全校に配置するため広く募集している
という背景があるとのことでした。
つまり、
今現在もより手厚い支援のためにスクールカウンセラーを「維持+補充+広く募集」
ということをしていました。
🌿②SCの方針のばらつきについては?
ここはとても丁寧に答えてくださいました。
- 群馬県の研修は年2回
- 浮島状態は全国と同じく課題
- SC同士で自主的に交流している人もいる
- スクールカウンセラーの相談役となるスーパーバイザーを配置している
- 研修機会を作ることもある
- 現場単位で工夫している学校もある
つまり、
県も課題を認識していて、改善に向けて動いている
ということが伝わってきました。
🌿 ③ スクールカウンセラースーパーバイザーは新制度?
これも気になっていたので聞いてみました。
すると、
スーパーバイザーは令和に入る前から配置されている
とのこと。
群馬県には5つの教育事務所があり、
そこに1〜2名ずつスーパーバイザーがいて、
SCの相談や研修を支えているそうです。
つまり、
群馬県は心理支援体制を早くから整えてきた県
ということがわかりました。
🌿 ④ つなぐん・SC・SSWの役割分担は?
ここが一番大事なポイントでした。
県の方は、はっきりこう言いました。
「不登校だからといって、SCから入る必要はありません。
つなぐんから入ってもいいんです。」
そして、
- SC → 心の専門家
- SSW → 福祉・環境の専門家
- つなぐん → 第三者の相談窓口
という役割分担を説明してくれました。
SSWはまだ群馬県では全学校に配置まではいっていません。(小・中で80%ほどの配置率)
SSWは60名募集で拡充予定
という前向きな情報もいただきました。
🌿 8. 複数の支援先(つなぐん・SSW)
第三の道を選ぶとき、
頼りになるのが 「つなぐん」 です。
そしてもう一つ、
スクールソーシャルワーカー(SSW) という存在もいます。
SCが“心の専門家”なら、
SSWは“環境の専門家”。
つなぐんは”公的な第三者視点の相談員”
- 学校との調整
- 制度の理解
- 家庭と学校の橋渡し
- 必要な支援につなぐ
こうした“環境調整”が得意です。
そして、ここが大事なポイント。
SCだけではなく、SSWもつなぐんも、保護者だけでなく、先生も相談していい存在です。
先生だって、
「このケース、どう支援したらいいんだろう」
「家庭と学校の間に入ってほしい」
そんな時に、SSWさんや「つなぐん」を頼っていいんです。
味方は一人じゃなくていい。
チームで支えてもらうという発想が大切です。
🌿 9. セカンドオピニオン
医療では当たり前のセカンドオピニオン。
教育でも、同じように使っていいんです。
- SC
- SSW
- つなぐん
- 医療
- 行政
複数の視点を持つことで、
子どもの安全が守られます。
🌿 10. エンディング
最後に、主治医の先生からいただいた言葉を紹介します。
「焦らず、慌てず。本人がやりたいことを一つ見つけられたら、それで一歩前進です。」
不登校には“正解”はありません。
でも、
あなたの違和感は、あなたの子どもを守る大切なセンサーです。
保護者も、子どもも、先生も、相談していい。
支援は選べる。
相談先も複数あっていい。
どうか、自分を責めずに、
一歩ずつ、一緒に進んでいきましょう。
以上、MANABO ASOBOの石黒弥千代でした。
次回出演予定 2026.3.11(水)18時~
つなぐん相談ダイヤル(こども・不登校 電話相談)
📞 0270-26-9200
群馬県総合教育センター 子ども教育相談係
対象: 18歳までの子供、保護者、教職員
月曜日~金曜日 9:00~17:00 第2 ・第4 土曜日 9:00~15:00
※電話相談は無料です。匿名でOK。保護者の方の心情的なつらさについても、ぜひご相談ください。