この内容は、ラジオ番組『EVENING ECHOES』のコーナー【こころのいばしょ】 (まえばしCITYエフエム 84.5MHz) 放送日:2025.6.11 にて、石黒やちよが解説した内容をもとに制作しています。
不登校対応8ステップstep② 学校への報告・連絡・相談

■ なぜ先生から連絡がたくさん来るのか?

不登校が始まると、 「先生からの電話が多くて負担…」 と感じるお母さん・お父さんは少なくありません。
しかし、これは先生が“焦らせたい”わけではなく、 法律で決まっているから なんです。
● 学校教育法のルール

長期欠席の生徒がいる場合、 学校は 指導・支援を行う義務 を負っています。
つまり先生は、 「心配だから連絡している」のではなく、 決められた業務として連絡しているだけ なのです。
だからこそ、 家庭側から先に状況を伝えてしまうと、先生は安心します。
※2025年時点。現在は「みなし残業代」としてわずかですが増額されています
■ まずは「家庭の方針」を伝える
欠席が続くときは、 家庭側のスタンスを先に伝えておくと、 先生とのやり取りがとても楽になります。
● 伝えるべきポイント
- 無理に登校させず、心身の回復を優先したい
- 朝の欠席連絡のルールを決めたい
- 例:「毎朝の電話ではなく、連絡帳アプリでまとめて連絡します」
- 家庭での子どもの様子(食事・睡眠・身体症状など)
先生は「どう対応すればいいか分からない」状態のことが多いため、 家庭側から方針を伝えることで、 学校も動きやすくなります。
■ 学校の先生の“現実”を知る


先生はとても忙しい職業です。 その背景を知ると、連絡の意味が理解しやすくなります。
● 数値で見る先生の業務量
- 公立小学校:平均 11時間35分 在校
- 公立中学校:平均 12時間06分 在校 (文部科学省 2014)
● 実は…
- 公立の先生は 地方公務員
- 世界平均より 週15時間多い勤務(OECD)
- 残業代はゼロ
先生は「忙しい中で義務として連絡している」だけなので、 家庭側が方針を伝えると、先生も安心して対応できます。
不登校対応8ステップstep③スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーと連携
■ 担任の先生だけに抱え込ませないでOK
不登校が始まると、 「担任の先生に相談しづらい…」 「先生に迷惑をかけている気がする…」 という声をよく聞きます。
でも、安心してください。
● 校長先生からの実際のアドバイス
- 担任に相談しづらければ 教頭先生 でもOK
- 保健室の先生 に相談してもOK
- SC(スクールカウンセラー)・SSW(スクールソーシャルワーカー)どちらでも、 お子さんと保護者に合う方を選んで大丈夫
学校は「担任だけが対応する場所」ではありません。 複数の専門職がチームで支援する仕組みになっています。
■ SC(スクールカウンセラー)とは?
● どんな人?
- 公認心理師
- 臨床心理士
心理学の専門家で、 子どものメンタル面のケアや、 保護者の心の負担にも寄り添ってくれます。
● できること
- 子どもの気持ちの整理
- 不安・緊張・ストレスのケア
- 保護者の相談
- 学校との連携(必要に応じて担任へ情報共有)
「子どもが何を感じているのか分からない」 「親としてどう関わればいいか迷う」 そんな時にとても心強い存在です。
■ SSW(スクールソーシャルワーカー)とは?
● どんな人?
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
福祉・医療・行政との連携に強い専門職です。
● できること
- 医療機関の紹介
- 福祉サービスの案内
- フリースクール・教育支援センターとの連携
- 家庭の状況を踏まえた支援計画の提案
- 学校との橋渡し役
「どこに相談すればいいの?」 「制度が複雑でよく分からない…」 という時に頼れる存在です。
■ SCとSSWは“学校の外部支援者”
ここがとても重要です。
● SC・SSWは学校の内部職員ではない
教育委員会や自治体から派遣されている 外部の専門職 です。
だからこそ、 学校内の力関係とは別の、 客観的で中立的な視点 で話を聞いてくれます。
親御さんにとっても、 「学校に迷惑をかけている気がする…」 という心理的負担が軽くなります。
■ 予約は早めに。勤務日は限られています

SC・SSWは常駐ではなく、 週1〜隔週など 勤務日が限られている ことが多いです。
● 予約のコツ
- 担任の先生に「SC/SSWと話したい」と伝える
- 学校を通して予約を入れてもらう
- 早めに希望を出すとスムーズ
「相談したい」と伝えるだけでOK。 学校側が調整してくれます。
■ STEP③のポイントまとめ
- 担任だけに相談しなくてOK
- 教頭・保健室の先生も窓口になる
- SCは心理の専門家
- SSWは福祉・医療・制度の専門家
- 外部支援者なので中立的で話しやすい
- 勤務日が限られるため早めの予約が安心
■ 公的相談窓口を活用しよう
学校とのやり取りが負担に感じるとき、 まずおすすめしたいのは 公的な相談窓口 です。
📞 つなぐん相談ダイヤル(群馬県教育委員会)
0270-26-9200 (月〜金 9:00〜17:00 / 第2・第4土曜 9:00〜15:00) ※親子で来所し、それぞれ同時に相談を受けることも可能(事前予約制)
不登校対応に慣れている専門相談員が、 親御さんの気持ちも丁寧に受け止めてくれます。
■ AIを「気持ちの整理」に使うという選択肢
「相談窓口に行く勇気が出ない…」 「どう話せばいいか分からない…」
そんな時、私はAIを使うこともあります。
- 匿名で使える
- 個人名を出さずに相談できる
- 気持ちの言語化の練習になる
- 新しい視点のヒントが得られる
スマホで使える ChatGPT は、 音声入力もできるので、 タイピングが苦手な方にもおすすめです。
「心の整理のための日記」として使うのも良いと思います。
■ 不登校対応8ステップ(全体)
- こどものヒアリング(否定しない)
- 学校への報告・連絡・相談 ←今回
- スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーと連携 ←今回
- 医療の力をかりる
- ママ自身の心を大切に(公的相談窓口)
- こどものサポート体制を構築
- 学習支援を検討(教育支援センター/フリースクール)
- ご自身も大切に。親も子も十分がんばっています。
■ 次回予告
次回は STEP④「医療の力をかりよう」 をお届けします。 不登校の57%に関係すると言われる先天性脳機能障害(発達障害)や、 小児科・心療内科の受診のポイントについて詳しく解説します。