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ラジオ出演12回目【不登校の新学期】先生を5分で味方につける「魔法の紙」


この内容は、ラジオ番組『EVENING ECHOES』のコーナー【こころのいばしょ】(まえばしCITYエフエム 84.5MHz)放送日:2026.4.22 にて、石黒やちよが解説した内容をもとに制作しています。


 オープニング

先生を5分で味方につける「魔法の紙」を作った理由

──新学年の今こそ知ってほしい、不登校の背景と先生への“伝え方”の工夫

はじめに

新学年が始まるこの時期、 学年がかわり、担任の先生がかわり、環境の変化から不登校の相談が増える季節でもあります。

不登校の親御さんたちからよく聞く“あるあるキーワード”の1つに、 「担任の先生との対立」があります。

担任の先生との対立関係って、本当にしんどい。

そのヒントになるように、今日は不登校の我が家でやっている工夫を1つご紹介します。

我が家では毎年、学年が上がると 2枚の紙 を先生にお渡しして、 一言だけお願いを伝えています。

すると不思議なことに、先生が私たちと同じ目線になってくれるんです。

もちろん先生たちの志やお人柄もありますが、 この紙を使い始めてから、先生たちがぐんと味方になってくれるようになりました。

今日は、私が実際に経験したことをもとに、 「なぜこの“魔法の紙”を作ったのか」 その背景をお話しします。

記事の最後に、 実際に使っている 見本とフォーマット も掲載しています。 必要な方は自由に使ってください。

■ 不登校の7割にある“見えない背景”

群馬県庁の資料によると、不登校になる子どもの約7割は、ヤル気がでない、不安、抑うつという脳疲労からくるものでした。

(2025年 群馬県庁)
https://www.pref.gunma.jp/page/685701.html

脳疲労の原因として言われているのが

  • 先天的な発達特性
  • 感覚過敏
  • マイノリティ性

上記のような先天的な特性が学校という集団の枠組み、多数派との共同生活にあわないということです。

本人や保護者、先生たちの努力不足ではありません。

先天的な特性をもつお子さんが集団に無理に合わせようとして自分を押し込め、 ヘトヘトになり、衝突が起き、 自分を守るために学校に行けなくなる。

これが多くの不登校の子どもたちの現実です。

■ 親は理解していても、他者に伝わらない

我が家が不登校になったのは、小学3年生の頃でした。

親は子どもの特性を理解しています。 でも、それを他者に伝えるのは本当に難しい。

学校の先生は精神科医ではありません。 発達障害や感覚過敏についての理解には個人差があります。

そして、 自分が体験したことのない感覚は、想像しにくい。 だから共感も難しい。

これは責める話ではなく、人の本質のお話です。

■ 私が気づいた「怒りの根っこ」

息子が不登校だった頃、お世話になっていた支援級の先生がいました。

とても熱意のある良い先生でしたが、 送迎のたびに、発達特性のある生徒たちに怒っていたんです。

「みんなのために準備してるのに、 なんで自分勝手に話しかけて邪魔をするんだ」

その怒りの根っこは、 生徒たちの特性を知らないことでした。

理由がわからないから怒りになる。 でも、理由がわかれば——

「ああ、そういうことだったのか」

と納得できる。

納得が生まれると、怒りはやわらぐ。 先生も、子どもも、みんな楽になる。

私はその時、強くそう感じました。

■ だから“魔法の紙”を作った

私はこれまで、

  • 国立の療育の心理士
  • 精神科医
  • 小児科医
  • スクールソーシャルワーカー
  • さまざまな専門家

からお知恵をもらってきました。

それをお伝えしたくても、先生たちは本当に忙しい。 長いレポートを渡しても読めません。

だから私は、 1~2枚にまとめることにしました。

そして、お願いは一つか二つだけ。

我が家が毎年お願いしているのは、たった一つ。

「怒らないでください。 彼の行動には悪意がありません。」

あとは、

「お時間ある時に、これを読んでいただけたら嬉しいです」

と、「魔法の紙」を添えるだけ。

■ その結果、何が起きたか

驚いたことに、 あれほど怒っていた先生が、しばらくして怒らなくなったんです。

怒鳴り声が聞こえなくなった。

そして、生徒たちへの配慮がどんどん増えていき、 息子も安心して通学できるようになり、 一年間、とても良い関係が築けました。

理由がわかると、人の怒りはやわらぐ。 怒りがやわらぐと、次のステップに進める。

これは、私が身をもって感じたことです。

■ 情報は“多ければ良い”わけではない

世の中のお母さん・お父さんは必死です。 子どもの特性を細かく伝えようとします。

でも、細かすぎる情報は、先生にとって負荷になる。

だから私は、

  • 1~2枚(先生にとって心理的負荷のない情報量)
  • お願いは一つか二つ
  • 必要な時に読める資料

という形に落ち着きました。

■ 見本とフォーマットを公開します

今回、番組でお話しした内容をもとに、 実際に使っている「魔法の紙」の

  • 見本(サンプル)
  • フォーマット(書き込み用)

を、個人情報を伏せた形でウェブに用意しました。

必要な方は、必要な時に、自由に使ってください。

■ おわりに

不登校は、誰のせいでもありません。 ただ、脳が疲れているだけです。

周囲に理解されるだけで、子どもは大きく変わります。

この「魔法の紙」が、誰かの安心につながりますように。


「魔法の紙」ダウンロード

※共通認識しやすい表現・フォーマットにしています。あくまで個人利用用として配布しています。ご利用時は自己責任でお願いいたします。

見本


発達特性なし

pdf版

word版


発達特性の可能性あり

pdf版

word版